基本理念

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理念体系(IT-ADRセンターの訴求テーマ)

理念体系

基本理念

 情報システム(IT)は、高度情報化の現代社会における企業経営の戦略的基盤です。このIT技術の開発導入は、多数の要員と多額の開発費と長期の開発期間を費やす一大プロジェクトです。万が一失敗すれば、ユーザ企業にとっても、ベンダ企業にとってもそのダメージは戦略的規模のものとなります。しかし、システムの開発に少しでも関わった経験を有するものにとっては自明のことですが、ITプロジェクトは「次々と発生するトラブルとの格闘」であると言っても決して過言ではありません。
 万が一、プロジェクトマネジメントによって解決できないトラブルが発生してしまった場合に、現在の司法的紛争解決制度では、3~5年の期間がかかるので、ユーザとベンダが開発委託関係を解消した上で紛争解決に臨まなければならないし、裁判官と弁護士とIT技術者との間の専門技術的なコミュニケーションが著しく困難なため、ユーザ・ベンダいずれの当事者にとっても納得がいく判断が得られ難い、という構造的欠陥を抱えています。
 IT-ADRセンターは、ITと法律の両専門的資格と豊富な経験を有する弁護士法人エルティ総合法律事務所が運営主体となり、「IT-ADR委員会」が新しい技法を駆使して、3カ月(プロジェクトを継続しながら)で、専門的納得性が得られ、かつ公正中立性の確保されたIT紛争解決を図るものであり、上述のような裁判所によるIT紛争方式の構造的欠陥を解消し、IT紛争に直面した両企業とその紛争解決を支援する弁護士にとっても画期的で戦略的な紛争解決の仕組みと言えます。
 IT-ADRセンターは、紛争解決の画期性によって、企業の経営リスクを戦略的に軽減させるとともに、IT紛争予防を啓発普及することで、我が国の社会経済の発展に貢献することを目的としています。

IT-ADRセンター設立の意義

小島武司

 我が国の社会システムの最適化のためには、事後的紛争解決の仕組みとして、裁判所における訴訟や調停だけでは不十分であることから、司法と並ぶ第二の柱としての民間機関による調停や仲裁への期待が、最近とみに高まっています。
 紛争の実態に適合する多様なADRの展開は、民事紛争解決の大きな推進力でもあり、また、民間発想の柔軟さは、事業としてのADRを成長させる決め手となる筈です。
 そこで、弁護士法人エルティ総合法律事務所が運営するIT-ADRセンターは「3カ月で解決したい」というIT紛争の両当事者のニーズに応えることを切実な第一課題と受け止め、ビジネスの現場感覚に合った、ユーザー・フレンドリーなADRを目指しております。
 ところで、ADRの成否を決するのは公正への信頼であり、IT-ADRセンターは、倫理規程等に照らして公正中立性をチェックする運営審査委員会を第三者機関として設置し、この要請に応えようとしています。
 IT-ADRセンターは、IT紛争の基幹をなす法律的専門性と高度情報技術知識を融合させて、信頼度の高い判断のできる人材を確保しています。裁判所における裁判や専門調停を一歩超えた、学際融合を核とする民間セクターからのイニシアティブによる革新的包括的解決を追求しようとするのが、その中心的な目標です。
 これは「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)」の目標を高い水準において達成する、真にエクサレントなADRサービスの提供として高く評価されよう。
 超高速実効的に進化し続けている電脳的不可視テクノロジーとしてのITにおいては、有効で戦略的な紛争解決システムをもたない国家は、21世紀高度情報化社会における成長競争上、後塵を拝する他ありません。IT-ADRセンターは、先端的なスキームとして社会貢献の大きな意義を有するものと確信しています。

IT-ADRセンター運営審査委員会 委員長
小島 武司
桐蔭横浜大学学長、仲裁ADR法学会理事長、元 中央大学法科大学院教授、元 民事訴訟法学会理事長